自社商品・サービスを売っていく上で重要な「集客」と「マーケティング」
この2つの違いを説明できる方は、どれくらいいるのでしょうか?

集客効果を高め、効率的に売上を上げていくのであれば、「集客」と「マーケティング」の理解が必須なのですが、多くの方は勘違いしています。

そこで今回は、集客とマーケティングの違いは何か、そして集客する上で重要なことは何かを解説していきます。
用語の意味があっているのかどうか不安な方はご一読ください。

集客とマーケティングの違いは?

集客 マーケティング

「集客」と「マーケティング」は同じような意味合いで使われている場合も多いですが、明らかに違いがあります。
まずは、それぞれの言葉の意味を理解し、区別できるようになりましょう。

集客の概要

集客とは、WEBサイトや店舗などに人を集めることです。
自社商品・サービスの認知を拡大させ、売上の向上につなげることが目的になります。

集客の注意点として、ただ何も考えずに誰でもいいから人を集めるだけでは、意味がありません。
最終的な目的であるコンバージョン(商品・サービス購入や資料請求など)につながらない人も集まってしまい、売上向上に大きな影響を与えないためです。

そして集客する顧客には、大きく以下の4つの種類に分けることができます。

①既存顧客(VIP顧客)
②新規顧客
③見込み客
④潜在顧客

上記のように、顧客の種類によって集客方法を変えることで、効率的に売上を立てていくことができます。

それぞれの集客方法を決めていく上で、まず顧客にアプローチする目的を考えないといけません。
各顧客を集客する目的は以下です。

①リピート顧客(VIP顧客)
自社商品・サービスを頻繁に継続的に使ってもらうことが目的

②新規顧客
自社商品・サービスを継続的に使ってもらい、リピート顧客になってもらうことが目的

③見込み客
検討段階から自社商品・サービスを購入して、新規顧客になってもらうことが目的

④潜在顧客
自社商品・サービスを認知してもらうことが目的

上記のように、顧客の種類によって集客する目的が異なるため、届ける発信内容も変えることが重要です。

たとえば、潜在顧客に関しては、SNSで自社の理念や世界観に共感してもらえるようなコンテンツを発信することによって、自社(商品・サービス)を認知される見込みがあります。
リピート顧客であれば、メールマガジンや公式LINEでコミュニケーションを取ることによって、自社商品・サービスの興味を高め、購入へつなげることが可能です。

つまり、集客とは顧客に合わせてコミュニケーションを取り、自社商品・サービスへの興味関心を高めていく取り組みだといえます。

マーケティングの概要

ビジネスでよく「マーケティング」という言葉を耳にすると思いますが、言葉の意味を正しく理解できている人は少ないです。
マーケティングとは「販売」や「広告」とよく言われていますが、違います。

マーケティングとは、商品・サービスが売れる仕組みを作ることです。

「マネジメントの父」で知られ、マネジメント・経営の分野で大きな影響を与えた「ピーター・ドラッカー」は、マーケティングを以下のように定義しています。

「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」(ピーター・ドラッカー)

要は、顧客に「買って!」と無理やりセールスしなくても、顧客が自分の意思で自然に買ってくれる状態を作ることが、マーケティングの本質であるということです。

その本質を達成するために、商品の開発から広告宣伝や効果検証など、一連の流れを実行すること。
つまり、勝手に売れる仕組みを作ることこそが、マーケティングの全体像を表しているといえます。

「セールス(販売)」と「マーケティング」を混同している人もいますが、セールスとの大きな違いは、自分で売っている点です。
セールスとは、自社商品・サービスを売ることであり、個人の努力によって売っていこうとする意味が強くあります。

対して、マーケティングは自分の力で売ろうとするのではなく、自動で勝手に売れる状態にするだけであり、そこに個人の努力は必要ありません。
顧客起点で考え、営業マンのスキルに頼らず、売れる状態になっていることが、マーケティングの特徴です。

集客はマーケティングの一種

ここまでの内容で「集客」と「マーケティング」の意味は理解できたはずです。
では、2つの違いは何なのか。

マーケティングの施策の1つが「集客」です。
マーケティングの中でも、商品・サービス購入につながる販売戦略の一部になります。

どれだけ良い商品・サービスを作ったとしても、その価値が顧客に伝わらない限り、商品・サービスは購入してもらえません。

そこで、集客が重要な役割を果たします。
顧客を集め、自社商品・サービスを認知させ、それが顧客にどのような価値をもたらすのか理解してもらうことで、購入につながるのです。

マーケティング施策における集客を行う上でのポイント

集客 マーケティング

マーケティング施策の中でも、集客を行う場合に注意すべきことがあります。
集客を始める前におさえておくべきポイントがあるため、以下の3つははっきりさせておきましょう。

・集客を行う目的を明確化する
・ターゲット層を明確化する
・集客方法を見極める

集客を行う目的を明確化する

集客は何のためにやるのか、目的によって集客する方法が変わります。
そのため、まずは集客する目的を明確にしなければなりません。

たとえば、「3ヶ月以内に商品購入数を2倍に増やす」という目的を定めた企業の場合、集客方法としてSEO対策を選ぶのは適していません。
SEO対策は広告費をかけずに集客できるというメリットはあるものの、集客効果を出すまでに時間がかかるというデメリットがあるためです。

SEO対策に関しては後ほど詳しく解説しますが、一般的に効果が出るまで半年以上はかかるため、中長期的な戦略になります。
すぐ結果を出したいのであれば、リスティング広告やSNS広告を採用した方が良いです。

このように、その方法で集客を行い、どのような効果を期待できるのか想定することで、最適な集客方法が選べるようになります。
目的によって適切な集客方法が変わってくるため、事前に集客の目的をはっきりさせておきましょう。

ターゲット層を明確化する

集客の目的を定めたら、次はターゲットを明確にしましょう。

誰に向けて情報を発信するのか、はっきりさせておきます。
ターゲット層をイメージできるほど、具体的な施策に取り組めるようになるはずです。

ターゲットを明確にするために考えるべきことは「ペルソナ」です。
ペルソナとは、自社商品・サービスを販売したい、ターゲットよりも詳細に設定した理想の人物像のことをさします。

そのため、年齢や性別、職業などの属性(デモグラフィック)だけでは不十分です。
ライフスタイルや趣味、性格、価値観などの心理的な属性(サイコグラフィック)も必要になります。

ペルソナを作成する際は、実際にいる人物のように細部まで設定することが重要です。
顧客へ実際にインタビューしたり、詳細なアンケートをとることによって、事実情報を集め、理想の顧客像を作り上げることができます。

ペルソナが完成すれば、マーケティングにおいてどんなコンテンツを発信していけばいいのか決まってくるはずです。
顧客の購買行動も明確になり、適したコンテンツを届ける媒体も絞れるため、より集客効果が高まっていくでしょう。

集客方法を見極める

ペルソナが決まれば、次は集客方法を考えます。
完成したペルソナに向けて、どのような集客方法が適切か判断しましょう。

ポイントは、「そのペルソナに効果がある」と見込める施策に絞ることです。

たとえば、女子高生をペルソナに設定している場合であれば、Facebook広告は向いていません。
Facebookの利用者は40代男性が多く、10代の女性はほとんど使っていないため、集客効果は見込めません。

10代女性であれば、FacebookよりもInstagramやTikTokのほうが利用者が多く、集客できる可能性はあります。
そのほかにも、ホームページやYouTubeなどの施策方法はたくさんあるため、間違った選択をしないようにしましょう。

もし多くの人に宣伝するのであれば、SEO対策を行うと良いです。
SEO対策にはどんな特徴があるのか、次の章から解説します。

マーケティング施策で集客を行うならSEO対策重要

集客 マーケティング

集客をするのであれば、SEO対策は必須と言える施策の1つです。
ここから、SEOとは何なのかを解説していきます。

上位表示を目指す施策

SEO(Search Engine Optimization)対策とは、検索エンジンの検索結果で自社のWEBサイトを上位表示させるための施策です。
ユーザーが特定のキーワードを検索したとき、自社のホームページやブログが上位に表示されていることで、流入数を増やすことができます。

掲載順位が決まる仕組みとして、検索エンジンのアルゴリズムが関係しています。
検索エンジンの種類はたくさんありますが、基本的にはGoogleを考えていれば問題ありません。

日本人であれば、9割以上の人がGoogleもしくはYahoo!を利用して、情報収集しています。
さらにYahoo!はGoogleのアルゴリズムを採用しているため、Googleのアルゴリズムさえおさえていれば、ほとんどの人に情報を届けることができるということです。

そのGoogleアルゴリズムによって、それぞれのWEBサイトは評価を受け、ランキング付けされます。
ユーザーの検索したキーワードごとに、関連性の高く良質なWEBサイトが検索結果に上から表示される仕組みです。

サイト評価を上げるための施策も数多くあります。
ここでは代表的な3つの施策を紹介しておきます。

①内部施策
検索ユーザーや検索エンジンが理解しやすいWEBサイトにするための施策。

②外部施策
外部サイトからのリンク(被リンク)を増やすための施策。

③コンテンツSEO
検索ユーザーのニーズを満たした、良質なコンテンツを制作するための施策。

CV獲得に繋がる

SEO対策をすることは、ただ集客できるだけではありません。
売上につながる重要な「コンバージョン(CV)」の獲得にも重要な役割を果たします。

コンバージョン(CV)とは、WEBサイトの目的。「ユーザーにとってもらいたい行動」とも言えます。
代表的なコンバージョンの例が以下です。

・商品購入
・問い合わせ
・資料請求
・会員登録

上記のようなコンバージョンを増やすためには、まずサイトへ訪れるユーザーを増やさないといけません。
そのために、SEO対策を行ってサイトへのアクセス数を増やしていくのです。

コンバージョンを増やすためには、WEBサイト内でコンバージョンへの導線も増やしておく必要があります。
導線が少ないと、コンバージョンに至らずに離脱してしまうため、問い合わせページや申し込みページなどのコンバージョンにつながるページを増やしておきましょう。

マーケティング施策で集客を行うときにSEO対策を行うメリット

集客 マーケティング

集客においてSEO対策を用いるメリットは、3つあります。

・購入意欲のある顧客が獲得できる
・費用対効果が高い
・ブランディング効果がある

購入意欲のある顧客が獲得できる

ユーザーの購買行動はある程度決まっています。
商品・サービスを知ってから購入に至るまでをパターン化した「AISAS」も購買行動モデルの1つです。

AISASとは、具体的に以下のような行動を指します。

Attention(注目・認知):商品・サービスを知る
Interest(興味・関心):商品・サービスに興味を持つ
Search(検索):検索エンジンやSNSで調べ、購入するか検討する
Action(購買):気に入った商品・サービスを購入する
Share(共有):商品・サービスに満足した場合、SNSで拡散する

上記のような行動を、人は無意識に行っています。

今回注目していただきたい行動は「Search(検索)」です。
人は購入を決断する前、その商品・サービスの情報を知ったり、他の商品と比較検討するために、GoogleやSNSで「検索」をするのです。

つまり、SEO対策によって検索結果に上位表示させることが重要になります。

この検索(比較検討)をしているユーザーは、商品・サービスに対してすでに興味がある状態であるため、コンバージョンにもつながりやすいです。
さらに、ユーザーが興味のあるコンテンツを発信していくことで、よりコンバージョン獲得への見込みが高くなります。

費用対効果が高い

集客でWEB広告を使う場合、必ず広告費がかかります。

たとえば、リスティング広告を出す場合、広告がクリックされるごとに費用が発生する仕組みになっているため、集客すればするほど、広告費も多くかかってきます。
他のSNS広告やディスプレイ広告なども、支払い形式は異なりますが、必ず費用はかかります。

しかし、SEO対策は広告費が一切かかりません

自社のホームページやブログがあれば、それ以外に追加料金がかかる心配はありません。
つまり、一度上位表示できさえすれば、継続的に集客できます。

そのため、費用対効果はかなり高くなる傾向があります。
上位表示させるまでの時間や労力のコストはかかりますが、長期で見ると費用対効果は高いです。

SEO対策を外注する場合であっても、自社のリソースを他の重要な業務にあて、SEO対策はプロに任せておくことで、短期で見ると費用はかかりますが、長期的にはメリットの方が大きくなります。

ブランディング効果がある

SEO対策による上位表示ができれば、自社のプランディングにもなります。
ブランディングとは、企業や商品・サービスなどのブランドが、顧客に価値があると認識され、市場での共感や信頼を高めることです。

ユーザーは上位表示されているWEBサイトの情報を信用するため、自社サイトを上位表示させることができれば、自社へ良い印象や信頼感を与えることができます。
信頼感があれば、自社商品・サービスの価値も高まり、コンバージョンにつながりやすいです。

さらに、上位表示されて多くの人の目に留まる機会も増えるため、認知度も上がっていきます。
結果、自社について他のWEBサイトで紹介されたりして、自社サイトの評価も高まり、上位表示されやすくなっていきます。

マーケティング施策で集客を行うときにSEO対策を行うデメリット

集客 マーケティング

集客でSEO対策を用いる場合、デメリットもあります。
メリットだけでなくデメリットも知り、自社商品・サービスに合う集客方法かどうかを判断してください。

SEO対策のデメリットは以下の3つです。

・人材を確保する必要がある
・長期的な運用が求められる
・Googleのアルゴリズムの影響を受けやすい

人材を確保する必要がある

SEO対策を任せられる人材が必要です。
SEO対策として、コンテンツ制作やサイト内部・外部の最適化ができる人がいないといけません。

専門知識がない初心者が行っても集客効果は薄いため、ある程度の知識や経験がある人を見つけましょう。

自分でゼロからSEO対策について学んでみることも良いですが、自社で使えるリソースも考えてください。

SEO対策の専門知識を身につけるまでどれくらいかかるのか、時間やその他コストはどれくらいなのか。

長期的な運用が求められる

SEO対策は、広告のように短期間で成果を得ることは難しいです。

コンテンツを制作するのにも時間がかかりますが、コンテンツが検索エンジンに評価されるまでも時間がかかります。
一般的には、上位表示できるまで半年から1年はかかるため、中長期的な目線で考えた方が良いでしょう。

ただ、上位表示を狙うキーワードによっては、結果が出るまでの時間には差があります

検索数が少なく競合が弱いキーワードはすぐ上位表示しやすいですが、WEBサイトへのアクセス数がそもそも少ないため、集客効果は非常に薄いです。
逆に、検索数が多く競合が強いキーワードは、上位表示させづらく長期間いりますが、上位表示できれば集客効果は非常に高いです。

また、コンテンツ制作後もリライトやサイトの更新など、定期的にメンテナンスも必要になります。

Googleのアルゴリズムの影響を受けやすい

Googleは日々アップデートを繰り返しています。
アルゴリズムがアップデートされることにより、上位表示されていたWEBサイトが突然順位が下がってしまうこともあります。

WEBサイトの評価基準が変わることで、検索結果の掲載ランキングにも影響するのです。
評価基準に沿ってコンテンツ制作したとしても、評価基準が変更されれば、コンテンツの評価も下がり、修正が必要になります。

コンテンツが多いと、修正にも多くの労力と時間がかかってしまうでしょう。
このような事態に陥らないように、SEO対策に関する最新情報は気にしておいた方が良いです。

集客とマーケティングまとめ

集客 マーケティング

本記事では、マーケティング施策の1つである「集客」について解説しました。
マーケティングと集客の区別ができてなかった方は、2つの違いがわかったのではないでしょうか。

マーケティングと集客を理解することで、より集客効果を高める施策を考えたり、実際に行動しやすくなります。
今回紹介した集客のポイントをおさえた上で、自社に適したマーケティング施策を実践してみてください

特に、SEO対策はWEB集客する上では必須になりますので、まだSEO対策をやっていない方はすぐにでも始めましょう。

この記事の監修者

星野 和大



1993年生まれ。千葉県柏市出身。
早稲田大学社会科学部社会科学科卒業IQ140overのギフテッド。

学生時代より東証プライム上場企業にてオウンドメディアの構築〜運営に携わり、卒業後は転職メディアを立ち上げ、売却。

WEB系スタートアップの創業メンバーとして、女性向けオウンドメディアのマネタイズを担当し、半年で月商ゼロから約3000万円までグロース。

現在は起業し、クライアントのオウンドメディア構築を担当し、直近では美容クリニックのオウンドメディアを新規ドメインで立ち上げて4ヶ月でデイリーPVを35→4035までグロースさせ、月間検索ボリューム24000のキーワードで3位を取得し、収益化を達成。

他に、LPのディレクションやセールスライティング、年商700億円ほどの東証プライム上場企業のマーケティングアドバイザーも務める。