マーケティング担当者やサイト運営者の方、以下のようなお悩みがありませんか?
「テクニカルSEOって何?コンテンツSEOと何が違うの?」
「テクニカルSEOとは、具体的に何をすればいいの?」
「本当にSEO効果があるの?」
本記事では、サイト検索順位を上げる施策の1つであるテクニカルSEOについて、メリットや具体的な施策、おすすめツールまで解説していきます。
自社サイトを上位表示させる方法がしっかり理解できるはずです。
目次
テクニカルSEOとコンテンツSEOの違い
まずは、テクニカルSEOと、混同されがちなコンテンツSEOについての定義や違いについて解説します。
テクニカルSEOとは?
テクニカルSEOとは、Webサイトの内部構造を整えて最適化する施策です。
Webサイトを上位表示させるためには、Googleやyahoo!などの検索エンジンにWebサイトを正しく読み取ってもらう必要があります。
そのための施策がテクニカルSEOであり、検索エンジンを第一に考えなければいけません。
検索エンジンにWebサイトを見つけてもらい、早くインデックスされることでSEO評価をえられます。
コンテンツSEOとは?
コンテンツSEOとは、コンテンツの質を重要視した対策です。
ユーザーに向けてコンテンツを最適化し、上位表示を目指します。
ユーザーに役立つ有益情報を書いたり、専門性の高いコンテンツを作成することで、SEO評価は上がります。
▶︎コンテンツSEOについて、メリットや具体的な手順を詳しく知るテクニカルSEOのメリット
テクニカルSEOには、3つのメリットがあります。
●自然検索からの流入が増える
●やるべき施策が明確
●効果がわかりやすい
それぞれ詳しく解説していきます。
自然検索からの流入が増える
検索エンジンを第一に考えた施策であるテクニカルSEOでは、
サイトの上位表示が狙えるため、自然検索からの流入も増えます。
検索エンジンの利用者は、検索後に上位表示されているサイトへアクセスします。
自然検索以外の方法でアクセスを狙う場合、広告費をかけないといけません。
広告費をかけずにアクセスを集めることができるのは、テクニカルSEOの大きなメリットの1つです。
やるべき施策が明確
不確定要素や主観に依存する部分が大きいコンテンツSEOに比べ、テクニカルSEOは具体的な作業内容・範囲が決まっているため、施策を実行しやすいです。
テクニカルSEO対策の内容は、Googleが公式で発表しているため、そこに書いてあることを確認すれば理解できます。
主に重視している点は、Googleが理解しやすいかどうかと、ユーザーが使いやすいかどうかです。
効果がわかりやすい
テクニカルSEOは定型化されているため、施策の効果がわかりやすいです。
そのため、施策を行うごとにその効果を確認して、Webサイトを改善していくことができます。
例えば、Googleサーチコンソールというルールを用いれば、クローラーやインデックスの状況を知ることが可能です。
その他にも、ページの表示速度を評価できるツールもあります。
テクニカルSEOのデメリット
テクニカルSEOにはメリットだけでなく、デメリットもいくつかあります。
●結果が出るまで時間がかかる
●コンテンツ量が必要
●システム制約で実行できない場合がある
それぞれを詳しく見ていきます。
結果が出るまで時間がかかる
テクニカルSEO対策をしても、すぐ検索順位が上位になるわけではありません。
短期間で結果の出やすい広告とは異なり、成果を出すまでに時間がかかります。
テクニカルSEOは中長期的な施策です。
コンテンツ量が必要
テクニカルSEOの効果が期待できるのは、一定以上のコンテンツ量がある場合のみです。
コンテンツが少なすぎると、検索エンジンにインデックスされる情報量も少なくなるため、SEO評価は上がりません。
コンテンツを充実させてからテクニカルSEOを実施することが重要です。
システム制約で実行できない場合がある
テクニカルSEOの施策によっては、サーバー設定やサイトの仕様変更が必要になる場合もあります。
今利用しているサーバーやCMSでは実施できるかどうかの確認が必要です。
2種類のテクニカルSEO
テクニカルSEOは、施策を行う対象の違いから2種類に分けられます。
●検索エンジンのクローラー対策
●検索インデックス対策
それぞれどのような施策なのか確認していきます。
検索エンジンのクローラー対策
検索エンジンのクローラー対策とは、クローラーのサイト巡回を最適化させる施策です。
まず、ネット上でWebサイトのページ情報を収集しているクローラーがないと、自社サイトを認識されることなく、検索エンジンの結果に表示されません。
クローラー対策を行うことで、検索結果への反映時間を短縮できたり、評価の低下を防ぐことが可能です。
検索インデックス対策
クローラーにWebサイト情報を正しく認識してもらうための施策が、検索インデックス対策です。
インデックス対策を行うことで、特定のキーワードでのサイト評価が高くなります。
インデックス対策をしたあとは、Googleサーチコンソールを使い、きちんとインデックスされているか確認する必要があります。
クローラーの具体的なテクニカルSEO対策
Webサイト内をクローラーに効率よく巡回してもらうための対策『クローラー対策』は、具体的に5つのテクニカルSEO対策があります。
●サイト階層構造の最適化
●URLの正規化
●ページ表示速度の向上
●モバイル対応
●クロールエラー対策
1つずつ詳しく解説していきます。
サイト階層構造の最適化
Webサイトの階層構造は、3つに分けると理解しやすいです。
それぞれの階層構造を最適化することで、クローラーは巡回しやすくなり、評価も高くなります。
①ディレクトリ階層
閲覧しているページがトップページから何階層目にあるのかを示しているのが、ディレクトリ階層です。
上記URLの場合、〇〇が第一階層(トップページ)、△△が第二階層、□□が第三階層となります。
注意点としては、複雑なURLにしたり、URLを後から変更するとクローラーの巡回が妨げられてしまうため、事前にディレクトリ階層を最適化する必要があります。
②ロジック階層
パンくずリストで管理している階層を、ロジック階層といいます。
パンくずリストとは、閲覧しているページがWebサイト内のどの階層にあるのかを示すテキストリンクです。
論理的に決まる階層のため、ディレクトリ階層とは必ず一致するとは限りません。
ロジック階層ですべきテクニカルSEO対策としては、パンくずリストを設置することです。
パンくずリストがあることで、内部リンクとして認識されてクローラーが巡回しやすくなったり、わかりやすいサイト構造になることでユーザビリティを高めることもできます。
③クリック階層
クリック階層は、あるページを表示するために必要なクリック数で示されます。
トップページから何回クリックすれば、そのページにたどり着けるかの回数です。
階層が深くなってしまうと、クローラーに重要度の低い情報と認識されてしまうため、クリック階層は3クリック以内に収めるのが理想とされています。
その他にも、クローラーに向けたサイトマップである『XMLサイトマップ』を導入したり、重複コンテンツや低品質コンテンツへのクロール制限を行う『robots.txt』を設定することで、テクニカルSEO対策に効果があらわれます。
URLの正規化
重複したコンテンツをクローラーに巡回されてしまうと、サイト評価が下がる上、他のページのクロールも遅れてしまいます。
そのため、重複した内容のページがある場合、検索エンジンからの評価を受けるURLを1つにまとめる(正規化する)必要があります。
URLを正規化するための具体的な方法を以下に示します。
・canonical タグを設定する
・リダイレクト設定する(HTTPSへの対応)
・サイトマップを作成する
・URLに日本語を使用しない
・URLの長さを短くする
・単語が2つ以上続く場合はハイフンをつける
・絞り込みパラメータを含むURLを『robots.txt』でブロックする
ページ表示速度の向上
クローラーは読み込み速度が遅いページを低く評価するため、ページの表示速度を速くする必要があります。
読み込み時間がかかると、ユーザーは離脱しやすくなるため、ユーザビリティの向上にも影響します。
画像や動画はコンテンツの質の向上に重要ですが、ページの表示速度を遅くしてしまうため、ファイルを軽量化することが大切です。
ファイルサイズを圧縮したり、必要ない画像や動画は削除したり、スクリプトの読み込みタイミングを変更することで、速度改善ができます。
モバイル対応
モバイル対応とは、Webサイトをスマホの画面サイズに合わせて、最適に表示させるための対策です。
今ではほとんどのユーザーがスマホでサイトを見ています。
そのため、Googleもモバイル対応を重要な評価基準として定めました。
多くのWebサイトでは、画面サイズに合わせて表示を最適化するレスポンシブデザインを使っています。
レスポンシブデザインにすることで、PCとスマホを別々に最適化する作業が必要なくなります。
クロールエラー対策
クローラーがサイト巡回をしている際、ページの削除やリンク切れなどによるエラーが発生すると、インデックス登録されません。
規模の大きいWebサイトではサイト管理が複雑になり、よくリンク切れが起きます。
その対策として、Googleサーチコンソールを利用することで、クローラーのエラー状況を確認して、すぐに対応できます。
インデックスの具体的なテクニカルSEO対策
クローラーにWebサイト内の情報を正しく認識してもらうための対策『インデックス対策』は、5つのテクニカルSEO対策があります。
●タイトル・見出し・メタディスクリプションの改善
●画像の改善
●リンク・アンカーテキストの改善
●重複コンテンツの修正
●類似キーワードによるコンテンツの修正
具体的な施策を見ていきましょう。
タイトル・見出し・メタディスクリプションの改善
タイトル、見出し、メタディスクリプションは、検索エンジンにコンテンツ内容を理解してもらうための重要な要素です。
3つそれぞれにおいて、最適化するための方法を解説します。
①タイトル作成
タイトルを作成する際は、ユーザーにもクローラーにも内容を理解しやすくすることが大切です。
ユーザーが一目見ただけで記事内容がわかるタイトルにすれば、クローラーにも記事内容を正確にインデックスされます。
タイトル作成で意識すべきポイントは、以下の3つです。
・検索キーワードは必ず入れる
・検索キーワードは前半に入れる
・文字数は30文字以内にする
②見出し作成
ユーザーにとって理解しやすいコンテンツを作成するためには、文章を区切る見出しが必要です。
適切に見出しを入れることによって、ユーザーが読みやすくなる上、正確にインデックスされます。
見出し作成で意識すべきポイントは、以下の3つです。
・簡潔にわかりやすくまとめる
・違和感が出ない程度に検索キーワードを入れる
・h2やh3などのタグを使用して、階層構造を整理する
③メタディスクリプション
メタディスクリプションを作成する際も、ユーザーとクローラーの両方にわかりやすくすることが大切です。
クローラーにキーワードとの関連性を認識させるため、メタディスクリプションにはキーワードを入れる必要があります。
文字数は100文字程度が最適です。
画像の改善
クローラーは画像を理解しづらいです。
そのため、画像のファイル名や、クローラーに画像の内容を提示する要素であるalt属性を設定・改善することで、クローラーが認識しやすくなります。
具体的な改善内容は、以下になります。
・ファイル名をローマ字表記にしない
・alt属性に検索キーワードを入れる
・alt属性では画像内容を簡潔に記載する
・関連性の高い文章付近に画像を配置する
・重要な画像は上部に配置する
・CSSで画像は指定しない
・画像サイトマップを設定する
リンク・アンカーテキストの改善
アンカーテキストとは、他のWebサイトへ遷移するリンクとして表示されている文章です。
アンカーテキストはリンク先ページとの関連性を示すために、検索キーワードを含めることと、簡潔にわかりやすくまとめることが大切です。
リンクに関しても改善することで、クローラーがコンテンツ同士の関連性を認識しやすくなります。
関連性の高いコンテンツは内部リンクを設置してクローラーを巡回させたり、情報の信憑性を高めるために外部リンクを設置することも効果的です。
その他にも、以下のような対策があります。
・リンクであることがすぐ判断できる見た目にする
・リンク切れの場合、404エラーor301リダイレクトを返す設定をする
・コメントやユーザーの投稿など、ユーザーが作成したコンテンツのリンクにはrel=ugcを用いる
・テキストやバナーなど、掲載料が発生する広告リンクにはrel=sponsoredを用いる
重複コンテンツの修正
Webサイト上に重複したコンテンツがあると、コピーサイトとみなされてしまうため、SEO評価が低下します。
他社サイトだけでなく、自社サイト内も同様です。
コンテンツを作成する前は、キーワードを整理しておくことでコンテンツが重複するのを防げます。
現在のサイト上に重複コンテンツがないかどうかを確認する場合は、コピペチェックツールを使用するのが効率的です。
もしテキストの一致率が高いページがあったのであれば、該当箇所を修正して一致率を低くする必要があります。
類似キーワードによるコンテンツの修正
コンテンツのテキスト重複はSEO評価を低くしますが、類似キーワードのコンテンツも評価を低下させます。
似ているキーワードで作成されたコンテンツがあることで、それぞれのコンテンツ評価が分散し、検索順位が下がっていきます。
SEO評価の低下を防ぐためには、コンテンツを作成する前にキーワードを整理しておくことが重要です。
もしすでに類似キーワードを使用したコンテンツがある場合は、それぞれのコンテンツを統合することでも改善できます。
テクニカルSEO対策のおすすめツール5選
専門的なツールがあると、テクニカルSEOを効率的に進めることができます。
ツールはいくつもありますが、特におすすめのツールを5つ紹介します。
●Google Search Console
●dead-link-checker
●Screaming Frog SEO Spider
●Ahrefs
●SEMRush
2つ目までは無料で使用でき、後半3つは有料ツールになります。
Google Search Console
Googleが公式で提供している無料ツールです。
テクニカルSEO施策の効果を確認するために利用します。
具体的には、以下のエラー内容を確認可能です。
・クローラーが巡回していないページ
・インデックスされていないページ
・ペナルティを受けているページ
・モバイル対応ができていないページ
・表示速度が遅いページ
GoogleサーチコンソールはテクニカルSEOだけでなく、検索キーワードや検索順位も確認できるため、SEO対策をする場合は必須と言えます。
dead-link-checker
dead-link-checkerは、Webサイトの内部リンクがリンク切れになっていないかどうかを確認する無料ツールです。
対象のURLを入力し、チェックボタンを押すだけで調査できます。
表示されるデータは、以下の3つになります。
・調査済数
・エラー数
・残調査数
調査が終わっているページ数、まだ調査が終わっていないページ数、エラーのページ数をdead-link-checkerで確認できます。
Screaming Frog SEO Spider
Screaming Frog SEO Spiderは、ページタイトルやメタタグ、hタグ、Canonicalタグ、被リンク数などを取得できるツールです。
リンク切れや重複コンテンツなどのサイトで発生している問題点も知らせてくれるため、検索エンジンに正しく認識させる最適化に有効です。
また、取得したデータをCSVやGoogleスプレッドシート、Excelとしてエクスポートも可能です。
有料ツールですが、一部無料でも利用できます。
有料でも価格は安くて使いやすいため、海外のSEO担当者に愛用されています。
Ahrefs
Ahrefsは競合調査に強いツールですが、テクニカルSEOにも使える有料ツールです。
機能が充実しており、このツール1つで多くのSEO対策ができます。
特徴は、URLを指定するだけで被リンク分析ができることです。
自社だけでなく他社サイトの被リンクも確認できるため、検索上位サイトの被リンクと比較することで、テクニカルSEOの改善点を見つけられます。
まとめると、Ahrefsには以下3つの特徴があります。
・被リンクの確認が効率的にできる
・他のSEOツールよりデータの表示速度が速い
・競合サイトの流入キーワードも把握できる
SEMRush
SEMRushは機能が充実しており、テクニカルSEOに役立つ機能も多数搭載されている有料ツールです。
特に監査機能が効果的で、エラーや警告などが出ているページをすぐ確認できます。
他にも、以下のような便利な機能がたくさん入っています。
・上位10サイト分析
・順位変動のトラッキング
・オーガニック検索
・キーワードギャップ調査
・ロングテールキーワード調査
・自サイト分析
・被リンク調査
テクニカルSEOまとめ
本記事では、テクニカルSEOの基本からメリット・デメリット、具体的な施策について説明しました。
テクニカルSEOはコンテンツSEOに比べ、やるべき内容が明確化しており、取り組んだ成果も確認しやすいです。
定型的に取り組んでいくことで、着実にWebサイトの評価を上げることができます。
最後にツールも紹介しましたが、特にGoogleサーチコンソールは無料で利用できる上、テクニカルSEOを評価するために必要なデータを取得できます。
ぜひ取り入れてみてください。
▶︎SEO評価を高めるために、コンテンツSEOも学ぶ