WEB開発の見積もりはどのように算出しているのかご存じでしょうか?

算出方法がわかっていないと、見積もりをもらっても提案された費用が妥当なのかわかりません。
費用の相場感だけでなく、費用を安く依頼するためにはどうすればいいのか、依頼先をどこにすればいいのかなども知っておかないと、無駄な費用も時間も使ってしまいます。

そこで本記事では、WEB開発の見積もり内容から費用を抑えるポイント、失敗しない依頼会社の見極め方なども解説します。
WEB開発をこれから外注しようと考えている方は、本記事を参考にして、自社に最適なWEB開発会社を見つけてください。

WEB開発を依頼するときに見積もり取得が重要な理由は?

web開発 見積もり

WEB開発を依頼する場合、事前に見積もりを取ることは必須です。
なぜ見積もりを取る必要があるのか、大きな理由は以下の2つになります。

・コストや日程の指標になる
・依頼内容によっては費用変動が大きい

コストや日程の指標になる

見積もりを取得する理由の1つは、WEB開発にどれくらいの費用や時間がかかるのかを知るためです。

WEB開発における見積もりは、主に完成までのスケジュールと費用が書かれています。
その見積もりを確認し、希望の日にちまでにWEB開発が完了するのかどうか、今の予算で払えるかどうかを判断します。

そのほかにも、開発範囲はどのくらいまで対応してくれるのか、追加料金はかかるのかも確認しておくと安心です。
開発期間に関しては、プロジェクトの大きさはもちろん、プロジェクトに関わるエンジニアの人数や工数によっても異なるため、業務内容に対する開発期間が適切であるかどうかも確認しておくと良いでしょう。

また、プロジェクトを進めていく中でトラブルが発生する可能性もあります。
トラブルが発生しても完成日にズレがおきないように、不測の事態を見越した計画が立てられているかも確認しておきましょう。

見積もり段階で、依頼内容の詳細まですり合わせておくことは大切です。
勘違いした思い込みでプロジェクトが始まってしまうと、途中で一から開発し直す場合、当初の納品スケジュールに大幅な遅れが出てしまいます。

予定通りの日程で完了できるように、しっかり見積もりを取得しておきましょう。

大体の日程や予算などがわかれば、適正価格で開発会社に依頼することができます。
複数の企業の見積もりを見れば、工数に対する価格の相場もわかってくるはずです。

依頼内容によっては費用変動が大きい

見積もりを取得する2つ目の理由は、依頼内容によってかかる費用が大きく変わるためです。

1つ目の理由でも説明しましたが、見積もりによってWEB開発にかかる費用がわかります。
費用がどれくらいかかるのかを決める大きな要素が、「WEB開発の難しさ」です。

たとえば、全くのゼロからWEB開発する場合と、基本の機能がデフォルトで備わっているパッケージをカスタマイズする場合。
この2つは難しさが全く違うため、かかる費用も変わってきます。

そのため、事前に見積もりを取得しておき、費用感を知っておくのです。
開発依頼をした後に想定以上の費用がかかることを知り、支払いのトラブルにならないようにしましょう。

見積もりは、トラブルの防止や追加費用の発生による言い争いを避けるためでもあります。
後悔する前にしっかり予防線を貼っておきましょう。

1つ注意点として、見積もりは1社ではなく、複数社に出しましょう。
複数の見積もりを比較することによって、適切な相場がわかるため、不当な価格設定にも気づけるはずです。

WEB開発を依頼するときの見積もり項目

web開発 見積もり

WEB開発の見積もりを依頼する際、いくつかの項目ごとにかかる費用が分かれています。
事前にどのような項目があるのか理解していないと、その費用が適切な価格設定なのかも判断することができません。

ここでは、見積もりで提示される項目を解説しますので、項目ごとの具体的な内容や費用感を知っておきましょう。

・要件定義費用
・進行管理費用
・運用設計費用
・デザイン制作費用
・システム開発費用
・テスト実施費用
・導入(サポート)費用
・運用保守費用

依頼する企業や案件によって項目は変わってきますが、上記のような見積もり項目があります。
今回はその中でも、代表的な3つの項目について詳細を説明します。

要件定義費用

WEB開発の見積りに掲載される項目の1つが、要件定義費用です。
要件定義とは、発注者の要望を叶えるために必要なことを明確にする作業を指します。

要件定義では、以下のような項目を決めていきます。

・WEB開発に必要な機能
・必要な人員
・スケジュール(納期)

要件定義を決めておく理由は、プロジェクト開始後の発注者と受注者間のトラブルを避けるためです。
よくあるトラブルの1つである「言った言わない問題」を防ぐために、しっかり文面に記載してルールを決めておく必要があります。

要件定義費用はどのように決まるのかというと、基本的には開発作業にかかった時間で算出します。

担当者がプロジェクトマネージャーの場合、要件定義費用は大体60万円〜100万円です。
ただ、この費用はあくまで目安のため、WEB開発に必要な機能が多かったり、複雑だったりすると、工数がかかるため費用も増えていきます。

WEB開発費全体の割合で考えると、10%程度です。
たとえば、WEB開発費が1,000万円のプロジェクトであれば、要件定義まで行って開発を中止した場合、100万円程度を依頼会社に支払わなければなりません。

支払うタイミングや金額は、契約内容によって異なります
発注者側が原因で開発を途中でやめる場合、WEB開発費の半分を支払わないといけないこともあるため、事前によく確認しておきましょう。

設計費用

設計費用とは、要件定義で決まった内容をシステムに反映するための必要な環境を設計する費用です。
設計は以下の2つに分類されます。

・基本設計
どのように制作するのか概要をまとめた、発注者が見てもわかる設計書
基本設計では、要件定義書をもとにして、機能を洗い出したり、データを整理したり、画面のレイアウトを決めたり、骨組みを決めます。

・詳細設計
どのように実装すればいいのかまとめた、プログラマー向けの設計書(指示書)
詳細設定では、基本設計書をもとにどうやって機能を実装していくかを決め、プログラマーのために具体的な設計書に落とし込みます。

WEB開発の流れとしては、以下の流れで行われます。

要件定義→基本設計→詳細設計→開発→テスト・・・

「詳細設計」に関して発注者は関係ないため、WEB開発が開始される前に関わる最後の工程は「基本設計」です。
そのため、要件定義と同じくらい重要な工程になります。

基本設計で重要なのは、受注者側が作成した基本設計書にフィードバックすることです。
コミュニケーションをしっかり取って、受注者側との認識のズレをなくせることで、効率的にWEB開発も進められるでしょう。

設計費用の目安としては、WEB開発費全体の10〜20%程度です。

デザイン費用

デザイン費用とは、主にUI(ユーザーインターフェース)デザインにかかる費用です。

UIとは、ユーザーから見た画面のことを指しています。
見やすく使いやすいデザインにするためには、ある程度の費用が必要です。

その他にも、以下の項目もデザイン費用となります。

・要件定義で作成するワイヤーフレームの画像
・アイコン作成
・現在の画面のUI改善

デザインはキレイで見やすかったとしても、使いづらいと意味がありません。
「見やすい」かつ「使いやすい」デザインでないといけません。

デザイン費用は依頼会社によって異なりますが、費用の目安としては、WEB開発費全体の5%程度です。

見積もり方法も会社によって異なり、月単位で見積もりを出す場合があったり、ECサイトの場合、以下のようにページ数ごとに価格が決まっている場合もあります。

・TOPページ:1ページ3万円
・下層ページ:1ページ1万円

WEB開発で見積もり費用を抑えるためには?

web開発 見積もり

依頼するWEB開発の内容が複雑だったり、要望が多かったりすると、当然費用も多くなってしまいます。
ただ、企業によってもWEB開発費に使える予算が限られているため、可能な限りおさえたいところです。

そこで、WEB開発費をできるだけ安くするためのコツをお教えします。
コツは以下の3つです。それぞれ詳しく解説します。

・事前に予算を伝えておく
・要件定義を事前に行っておく
・対応できる内容は自社で補う

事前に予算を伝えておく

予算オーバーの見積りにならないようにするために、まずWEB開発の「目的」と「予算」を明確にしておきましょう。

ここで注意して欲しいことが、「予算」だけではいけないことです。
必ずWEB開発をして何を実現したいのか、目的も必ず決めておく必要があります。

目的が漠然としたまま見積り依頼をしてしまうと、受注会社はどんな機能が必要で、どれだけ工数が必要なのか全くわかりません。
受注会社は、WEB開発を進めていく中での修正やトラブルも想定しなければならないため、適正価格よりも高めの見積もりを提案せざるを得ません。

目的がわからないと、適切な費用も計算することができないのです。

逆に、目的が明確に伝わっていれば、目的に合った適正金額を提案してくれます。
そこに使える予算も伝えることで、予算に合った開発内容がわかるはずです。

要件定義を事前に行っておく

WEB開発会社に丸投げしてはいけません
丸投げ状態だと、改善を依頼するまでの時差が大きくなってしまい、時間がかかるだけでなく費用もかかってきます。

すべての業務をWEB開発会社に任せてしまうと、無駄な費用も時間も増えて、結果的に高額がつくはずです。

依頼する前は必ず、どのようなWEBサイトを構築したいのか、社内で話し合って明確にして、共通認識を持っておきましょう。

どんなWEBサイトをイメージしているのか、それを可能な限り具体的に言語化し、要件定義しておくことが重要です。
その後に依頼を行うことで、費用も時間も大幅に削減できます。

丸投げするのであれば、信頼できるWEB開発会社にしてください。
これまで長く付き合いがあって、毎回希望通りの開発をしてくれる会社であれば、心配ないです。

これまで付き合いがない、初めて依頼するようなWEB開発会社に丸投げはおすすめしません。
初めましての会社には、良い関係性を築くためにも、プロジェクトへ積極的に関わっていきましょう。

普段からコミュニケーションが取れていれば、トラブルが起きた時でも情報共有が素早く、スピーディーに対処することができるはずです。

対応できる内容は自社で補う

前項の「要件定義を事前に行い、WEB開発会社に丸投げしない」と少し内容は被りますが、一部の工程を自社で補うこともコスト削減につながります。

もちろん、WEB開発のプロに任せた方が安心ですが、費用面で考えると非効率的です。
コストをおさえるのであれば、すべてを外部に任せるのではなく、自社でできる工程は自社でやってしまいましょう。

自社でできることはないか、確認してみると良いです。
「開発はお願いして、運用保守だけ自社でやる」だけでも、かなりのコストはおさえられます。

何度も伝えていますが、丸投げするのではなく、自社でできることできないことを明確することで、WEB開発費用をおさえることができるのです。

▶︎ジャンルごとにWEB開発の費用相場を知る。

見積もりを取った会社にWEB開発を任せるか判断する要素

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見積もりを取得したら、どこの会社にWEB開発を任せるか決めないといけません。
ですが、どのような基準で開発会社を選べばいいのかわからない方も多いはずです。

ここでは、自社の満足いくWEB開発ができる会社かどうか、見極める上で必要な要素を2つ紹介します。
以下の2つを確認すれば、会社選びで失敗する確率が減るでしょう。

・費用や機能性
・自社と同じ規模の会社から依頼を受けている業者を選ぶ

会社選びに失敗して、時間や予算を無駄にしないようにするためにも、ここで理解しておいてください。

費用や機能性

見積もりを取る際は、複数のWEB開発会社から取るように前述しましたが、見積もり依頼する際に注意点があります。

それぞれの会社に出す見積もりは同じ条件にしてください。
同じ条件で見積もり依頼しないと、会社同士で比較ができないためです。

どれくらいの予算が希望なのか、どんな機能が必要なのかなどの詳細を決めたら、1枚要望書を作成し、そのコピーをそれぞれの会社に提出してください。
費用だけでなく機能も比較したいため、「必要な機能」も記載しておくことがポイントです。

費用はWEB開発会社によって異なりますが、実装できる機能も会社によって異なるため、費用だけに惑わされず、自社の希望する機能が実装できるかどうかも確認しましょう。
もし費用が高く感じたとしても、うまく値下げ交渉をすることで、安く依頼できる可能性もあります。

自社と同じ規模の会社から依頼を受けている業者を選ぶ

費用と機能性以外に確認すべき項目は「開発実績」です。
そのWEB開発会社の実績を参考にして、依頼するかどうか判断しましょう。

理想は、自社が依頼しようとしているWEBサイトと同じ規模、もしくは同業種の開発実績が豊富な会社です。

成果物の質は、依頼するWEB開発会社の経験で決まると考えて良いでしょう。
多くの実績があるWEB開発会社であれば、複雑な依頼でも幅広く対応してくれるところが多くあります。

WEB開発はスケジュール通り進むとは限らず、トラブルがつきものです。
そんなトラブルが起きた時でも柔軟に対応してくれやすいのが、経験を多くしてきた会社です。

可能な限り、実績の多い会社を選びましょう。

WEB開発の見積もりリスクを減らすためのポイント

web開発 見積もり

WEB開発の依頼で失敗しないために、見積もり時の注意点があります。
事前に失敗するリスクを減らすためにも、以下3つのポイントは理解しておきましょう。

・作業内容が明確に記載されているか?
・見積もり額に妥当性はあるか?
・ソフトやサーバー契約は入っているか?

作業内容が明確に記載されているか?

WEB開発において、もらった見積もりは明確に記載されているかどうかを確認しましょう。

見積もりというのは、WEB開発ができるまでの各工程ごとに費用が決められます。
しかし、見積もり依頼をした会社によっては費用の詳細な内訳が記載されていない場合があるのです。

もし内訳が曖昧だった場合は、依頼会社に尋ねてみてください
ほとんどの会社は丁寧に記載した見積書を送ってくれるはずです。

尋ねて回答がなかった場合は、非常に怪しい会社である可能性が高いため、依頼するのはやめておきましょう。
見送ることも大切です。

見積もり額に妥当性はあるか?

見積もりをもらったら、何の疑いもなく、その金額を受け入れてはいけません。
必ず見積もり金額に妥当性があるのかを確認しましょう。

見積もりをもらう前に、WEB開発にかかる工数やプロジェクトに関わるエンジニアの人数などを共有してもらえるはずです。
工程ごとにかかる費用も詳細に記載されているため、その内容を見て妥当性を判断していきます。

妥当性を判断するためには、複数社から見積もりをもらって比較しましょう。
比較をすることで相場感がわかってくるため、異常に高かったり安かったりする見積もりは疑いを持つことができます。

ソフトやサーバー契約は入っているか?

WEB開発を依頼する際、ソフトの購入やサーバーの契約が必要かどうかを確認しましょう。
必要だった場合、ソフトやサーバーの費用は見積りに含まれているのかも確認します。

もしソフト・サーバー代が見積りに含まれていない場合、追加料金が発生することが考えられます。
後から大きなトラブルに発展させないためにも、費用の問題は最初にクリアにしておきましょう。

▶︎WEB開発を依頼する際の注意点は他にもあります。

WEB開発の見積もりまとめ

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WEB開発の見積もりは、「難しそうで何が書いてあるのかよくわからない」と思っている方が多いと思います。

ただ、今回説明してきた内容によって、見積もりについてクリアになったのではないでしょうか。
見積もりは何を基準に算出されるのか、見積もりで算出される項目は何があるのかなど、理解できたはずです。

これからWEB開発を依頼しようとしている方にとっても、会社選びで失敗しない方法や費用を抑えるコツもお伝えしてきため、参考になることも多かったのではないでしょうか。
ほとんどの方が「WEB開発はできるだけ安く実現したい」と思っているため、まずは理想の予算でサイト開発できる会社を見つけることが大事になってきます。

本記事を参考に、WEB開発を依頼する際の注意点を意識して、自社に最適な会社を選定してみてください。

この記事の監修者

星野 和大



1993年生まれ。千葉県柏市出身。
早稲田大学社会科学部社会科学科卒業IQ140overのギフテッド。

学生時代より東証プライム上場企業にてオウンドメディアの構築〜運営に携わり、卒業後は転職メディアを立ち上げ、売却。

WEB系スタートアップの創業メンバーとして、女性向けオウンドメディアのマネタイズを担当し、半年で月商ゼロから約3000万円までグロース。

現在は起業し、クライアントのオウンドメディア構築を担当し、直近では美容クリニックのオウンドメディアを新規ドメインで立ち上げて4ヶ月でデイリーPVを35→4035までグロースさせ、月間検索ボリューム24000のキーワードで3位を取得し、収益化を達成。

他に、LPのディレクションやセールスライティング、年商700億円ほどの東証プライム上場企業のマーケティングアドバイザーも務める。