良質なコンテンツを供給することで、顧客との信頼関係を築きコンバージョンに繋げる。それがコンテンツマーケティング。
「Webマーケティングの王道」とも言われています。
そんなコンテンツマーケティングも2014年より、その市場規模は拡大を続けてきました。
今回はそんなコンテンツマーケティングの市場規模について、徹底解説をしたいと思います。
ぜひ最後まで読んでください。
目次
日本のコンテンツマーケティング市場規模

日本のコンテンツマーケティング市場規模は、以下のように分けることができます。
- SEO対策市場規模
- コンテンツ制作の市場規模
- インターネット広告の市場規模
- SNSマーケティングの市場規模
順番に解説します。
SEO対策市場規模について
SEO対策市場規模は年々拡大を続け、さらに伸びることが予想されます。
少し古いデータですが、オプトグループのクロスフィニティ株式会社が2016年SEO市場予測を発表しています。
それによると、2015年の時点で日本のSEO対策市場は395.4億円に成長していることが分かっています。そして、2018年には500億円を突破することが予測されています。
また世界のSEO対策市場規模に関して、世界最大規模の調査会社Research and Markets社が直近のデータを出しています。
2023年3月に出したSearch Engine Optimization (SEO) – Global Strategic Business Reportです。それによると以下のことが分かりました。
- 【2022年】世界のSEO対策市場規模:681億ドル
- 【2030年】世界のSEO対策市場規模:1,296億ドル
このように日本と世界、両方のデータは「SEO対策市場の拡大」を示しています。
現在は2023年ですが「スマートフォンの普及」に対する期待値は以前として高水準。
今後も老若男女問わずスマートフォンを手にし、検索サービスを利用するだろうと見られています。
「SEO対策市場は、まだまだ拡大を続ける」このような認識で大方間違いではないでしょう。
コンテンツ制作の市場規模について
「ディレクションは自社・コンテンツ制作は外注」
このような体制が主流となりつつあります。
SEO対策に必要なデータを集約し、可視化するためのツールDemandMetricsを提供するDemandMarkets株式会社/DemandSphere株式会社は「コンテンツマーケティング調査レポート2016年」をだしています。
そのレポートによると「コンテンツマーケティングを推進する体制」として、2015年から2016年にかけて以下のようなデータをだしています。
- 社内でのコンテンツ制作と外注でのコンテンツ制作の併用:61%
- 社内(既存メンバーのみ):32%
- 社内(外部から採用):6%
- 外注のみ:1%
コンテンツを作る上で、61%もの企業が外注を利用しているのです。
また、コンテンツマーケティングを外注する項目として、以下のデータもでています。
- 「コンテンツ制作」が91%
- 「企画」が32%
- 「プロモート」が9%
- 「運用」が9%
91%の企業がコンテンツ制作の依頼に外注を利用しているわけです。
さらに2016年に矢野経済研究所がだした「BPO市場・クラウドソーシングサービス市場に関する調査を実施」といったレポートが存在します。
それによると、クラウドソーシングサービスの市場は、2020年には2950億円に到達すると試算されています。「3000億円規模」が期待できる市場と言えるでしょう。
このように、クラウドソーシング市場の拡大に伴い「ディレクションは自社・コンテンツ制作は外注」といった体制をとる企業が増えました。
インターネット広告の市場規模について
一般的に「コンテンツマーケティングに広告は必要ない」と言われています。
しかし、広告を上手く併用していくことで、コンテンツマーケティングの成果を上げているメディアが存在することも事実です。
サイバーエージェントがだしている「インフィード広告市場規模推計・予測」によると、2023年には「3,921億円まで市場規模が拡大する」と予測されています。
インフィード広告とはモバイルサイトやSNSなどで、コンテンツとコンテンツとの間の中にinされる形で表示される広告のことです。
Twitterのタイムラインのスクロール中に、現れる広告をイメージされると分かりやすいと思います。
2016年頃は静止画の広告が主流でしたが、最近では技術が向上し豊かな表現のできる動画広告を使うパターンが増えてきました。
動画は思わず目が止まってしまうので、今後も動画広告に関する期待値は高めです。
コンテンツマーケティングはSEOのみではなく、インターネット広告もひとつの選択肢であることは常に頭に入れておくべきでしょう。
SNSマーケティングの市場規模
SNSマーケティングとは、SNSを利用して特定の分野に強いインフルエンサーに宣伝をしてもらうマーケティング手法です。
2017年には175億円の市場規模だったのが、2019年には267億円まで急成長を遂げています。
最近では動画とSNSを使った、インフルエンサーマーケティングが多いです。
例えば、ある飲食店チェーンは、お料理系Youtuberに案件をだし、自社の新メニューを食べてもらい「YoutubeとTwitterで宣伝」なんて方法をとっています
最近ではSEOに取り組みつつ、SNSマーケティングに取り組んでいる企業が目立っています。
コンテンツマーケティング市場が拡大している理由

- 制作したコンテンツが企業の資産になる
- 顧客ロイヤリティが向上する
- 広告費をかけなくても宣伝になる
以下で順番に解説します。
制作したコンテンツが企業の資産になる
コンテンツマーケティングにおいて、制作したコンテンツは企業の資産になります。
自社サイトで記事を掲載することにより、顧客に対して「いつでもアプローチが可能」になるのです。
「40記事・80記事・100記事」と記事が増えれば、それだけGoogleにインデックスされ、顧客獲得の機会も増えていきます。
当然、商品やサービスの売上にも繋がります。
自社で制作したコンテンツは、それだけ企業の資産になることを覚えておきましょう。
顧客ロイヤリティが向上する
コンテンツマーケティングにおいて、良質なコンテンツは「顧客ロイヤリティ」の向上に繋がります。
顧客ロイヤリティとは、企業のブランドやサービスに対する顧客の愛着や信頼のことを指します。
コンテンツマーケティングの最大の狙いは、この顧客ロイヤリティといっても過言ではありません。
良質なコンテンツを継続的に届けることで、顧客との間に強い信頼関係を結ぶのが目的です。
企業と顧客の間に強い信頼関係が結ばれるからこそ、定期的な購入に繋がり企業としての手堅い成長に繋がるのです。
良質なコンテンツを至上命題とし、顧客ロイヤリティ向上を常に考えましょう。
広告費をかけなくても宣伝になる
コンテンツマーケティングの利点は、広告費をかけなくても済むことです。
なぜなら、自社のコンテンツが検索順位の上位に表示をされれば、他に強力な競合サイトが複数登場したり、Googleの大規模アップデートでもない限りは長期的に上位をキープできるからです。
これがGoogle広告やFacebook広告であれば、配信期間は決まっていますし、クリックされればされるほど成約率(CV)に関係なく費用が発生します。
例えば自社でメディアを運営してコンテンツマーケティングするなら、費用が発生すると言えば以下の項目くらいです。
- サーバー代:月1,000円~3,000円
- ドメイン代:年0円~3,000円
- 記事の外注費用:業者やライターのよりバラバラ
記事外注費用だけ、相場にバラつきがあるので調査と工夫次第になりますが、そこまで大きな費用は必要ありません。
一方でリスティング広告であるGoogle広告の場合は、オークション形式です。
広告の上限単価を高く設定したり、LP(ランディングページ)の利便性の改善やLP内の文章の検索ワードとの関連性などを高める必要があります。
Google広告の1クリックあたりに支払う費用もそうですが、良質なLPを作るためのデザイン・コーディング費用やコピーライティングの費用もかかってくるわけです。
そのような広告に比べて、自社でメディアを運営するコンテンツマーケティングは大して費用はかかりません。
自社メディアでのコンテンツマーケティングは「広告費をかけなくても済む」といった点が非常に魅力です。
市場の成長が見込めるコンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは以下のような手法があります。
- ブログや記事の制作
- 動画の制作
それぞれ、どういったものなのか?市場にとって、どのような成長が見込まれるのか?
順番に解説します。
ブログや記事の制作
従来通りの文章による記事の制作です。
導入が最もしやすく、質が高ければ長期的に検索結果の上位に表示され続けます。当然「ファンの獲得のしやすさ」も高め。
何か失敗があっても歴史が長い分、情報はたくさん存在し、修正も非常にしやすいです。
そのため「ブログや記事の制作」は他のやり方よりもコンバージョンにも繋がりやすいのが特徴的です。
動画の制作
YouTubeなどが普及したことにより、近年需要が高まっている動画を用いたコンテンツマーケティングです。
たったひとことの言葉も動画にして見聞きした時は「Webの文章と比較して約5000倍、相手に伝わる」とまで言われています。
文章よりも動画の方が、多くの内容を伝えることが可能なわけです。
もちろん、文章と動画では体験が全く異なるため「どちらが良い」とは一概には言えません。
ターゲットによっては、文章だけの方が相手の心に刺さり、高い成約率(CV率)を出すことは多々あります。
きちんと調査をし、ペルソナ設定をした上で、動画の導入を検討するのが良いでしょう。
今後コンテンツマーケティングを導入する際のポイント

- コンテンツを制作するテーマは明確にしておく
- ニッチな分野の導入を検討する
以下で順番に解説します。
コンテンツを制作するテーマは明確にしておく
コンテンツを制作する上で、テーマは明確にして「きちんと見える化」すべきです。
なぜなら、検索やSNSを利用して、たまたま訪れた顧客にとって自社のコンテンツが「どれほど有益なのか?」初見では不明な状態だからです。
建物はボロボロだけど、何故だか常に営業をしているラーメン屋さんがありますが、それと良く似ています。
その店のことを何も知らない人にとっては「謎のラーメン屋」に過ぎないわけです。
余程その店に対するポジティブな情報が入り興味が湧かなければ、誰もそのボロボロのラーメン屋さんには足を運びません
コンテンツマーケティングでも同じです。
テーマが明確でないと、せっかく検索エンジンやSNSから足を運んできても、スグに離脱をしてしまいます。
ボロボロのラーメン屋さんと同じように、信用できないし安心できないわけです。
だからこそ、コンテンツ制作をする時はテーマを明確にして「きちんと見える化」をしてください。
そうすれば、潜在的ニーズを抱えた顧客は集りやすいですし、知名度の向上にも繋がるのです。
ニッチな分野の導入を検討する
コンテンツマーケティングのジャンルは、なるべくニッチな分野が望ましいです。
なぜなら、メジャーなジャンルは多くのメディアが乱立しているからです。競争率の高いジャンルに参入しても、検索上位に食い込むのは非常に困難です。
しかし、ニッチな分野なら、ポジションは取りやすいですし、中には将来的にメジャージャンルとして化ける可能性すらあります。
例えば近年だと、メンズコスメがあります。
2007年頃には1,007億円程度の市場でしたが、順調に成長を続け2023年には1600億円規模になるとすら言われています。
今の40代や30代の男性でも「乳液くらいは使って身だしなみは整える」なんて人が増えました。
また、20代や10代を見ると、BTSをはじめとした近年世界的人気の韓国アーティストへの憧れから「自分も化粧をしてみよう」といった人が増えてきたのです。
男が化粧するなど、ひと昔前なら考えられませんでしたが、メンズコスメ系のサイトは時代の流れを掴んだ良い例だと思います。
ニッチなジャンルは、今はほとんど注目はされないかもしれませんが、早期に参入し上手く成長の波に乗ることができれば、その成長の恩恵をフルに受けることが可能になります。
ぜひ、自社の商品やサービスが「そのテーマに合うか?」きちんと確認をして、ニッチなジャンルへの参入を検討してみてください。
コンテンツマーケティングを実施する上での課題

- コンテンツ制作のための人材を集める
- 定期的な更新が必要
- コンテンツの品質
コンテンツマーケティングを実施する上で、これだけの課題があります。
個別に解説します。
コンテンツ制作のための人材を集める
コンテンツ制作は、専門的なノウハウがないと非常に難しいです。
- SEOのスキル
- 動画の作成スキル
- 動画の編集スキル
- 記事の編集スキル
- ライターの管理スキル
- ライターの教育スキル
- Webマーケティングのスキル
- 専門知識豊富なライティングスキル
自社でコンテンツ制作をするとなると、上記のスキルが必要です。
ひとつひとつの項目を見ても、人材を教育するのに膨大な時間と費用が発生するのが良く分かると思います。
しかし、外注(アウトソーシング)は、その問題を部分的に解決します。
外注は必要な成果物に対して報酬を支払えば良いので「人材の教育」をまるまる省くことが可能です。
外注を利用すれば、マーケティングオートメーションの恩恵もフルに受けられるので、ぜひ検討をしてみると良いでしょう。
定期的な更新が必要
コンテンツマーケティングにおいて、定期更新は常に意識する必要があります。
どんなに面白い漫画も、次の発売が1年後になると、その漫画の存在を忘れてしまうのと同じ論理です。
人間がその人気を判定するSNSにおいては、それが顕著です。
機械によって判定が決まる「Google検索やYoutube」でも、更新頻度の高さはプラスの評価を受け、検索順位にも影響を与えます。
「更新頻度の高さ」は非常に大切なので、常に意識しておいてください。
コンテンツの品質
コンテンツマーケティングは最終的に「商品購入・問い合わせ・訪問者数向上」これらの達成を目指します。
しかし、それを達成するためには「質の高いコンテンツを提供する」のが最重要課題です。
- 質の高いコンテンツを提供→良いサイト。別の記事も読んでみるか
- 質の高いコンテンツを提供→これも良い。別の記事も読んでみるか
- 質の高いコンテンツを提供→もう間違いない。ぜひ買ってみよう
上記がWebサイトを例にとった、コンテンツマーケティングの基本戦略です。
「顧客の不安や悩み、疑問に答える良質なコンテンツ」を提供し続けて「顧客との強い信頼関係を構築すること」をもっぱら狙うのです。
コンテンツマーケティングは外注依頼がおすすめ

コンテンツマーケティングに外注がオススメな理由は以下の通りです。
- 専門的なノウハウでコンテンツを発信してくれる
- 自社でコンテンツ制作すると手間がかかる
- 定期更新を行う必要がある
順番に解説します。
専門的なノウハウでコンテンツを発信してくれる
外注ライターを利用すれば、良質な記事を量産してもらい検索順位で上位表示できる可能性が高まります。
クラウドソーシングが普及するにつれて、現在は外注ライターの質も上がりました。
ひと昔前は、他サイトをコピペして、そのまま納品するような人がいたのですが、今ではそのような人は皆無です。
ライターを育成するコミュニティが何個か立ち上がり、専門知識はもちろんのこと、SEO対策に関しても、今のライターは当たり前のように身につけています。
適正価格よりも少し上くらいの文字単価を用意するなら、良いライターを集めるのは、それほど難しくない状況です。
自社でコンテンツ制作すると手間がかかる
自社でコンテンツを制作すると、手間と時間がかかり、必ずしも良質な記事が制作できるとは限りません。
なぜなら「専門的知識のある人材」を自社で確保し、育てるのは非常に難易度の高い話だからです。
ライターが最も売りにする「専門知識」は数ヶ月本を読んだ程度では身につきません。
例えば歴史ライターであれば、歴史書を読む他に、プライベートで神社やお城に足を運び、フィールドワークをしています。
飲食ライターであれば、プライベートでも新規開業情報は常にチェックをし、実際にその店の料理を食べに行くのは当たり前です。自分で実際に料理をし、お店の料理を再現する人すらいます。
専門知識は、そのような「日々の積み上げ」から生まれるものであり、簡単に教育で育てられるものではありません。
自社でコンテンツを作ると、自由度は上がりコストも下がりますが「専門的で良質な記事」ができるとは限らないのです。
定期更新を行う必要がある
WebサイトやSNSの定期更新を実現するために、積極的に外注依頼をして効率的にアウトソーシングを活用するのは良い選択です。
なぜなら、こまめにコンテンツを更新しないと、顧客からは忘れ去られるからです。
自社だけでコンテンツ制作をしようとすると、そのために人材を割く必要があります。
特にSNSなどは、一度人気が出ても定期的に更新しないと「もう誰も反応しない」なんてことが多々あります。SNSは「リソース不足」でチャンスを失うリスクがあるのです。
上手くいってる企業は定期的にライターや動画クリエイターを雇い、独自コンテンツを作って顧客を繋ぎとめようと、常に必死です。
まだまだ拡大が期待されるコンテンツマーケティング市場

以上、コンテンツマーケティングの市場規模について解説しました。
テクノロジーの発展と共に、今以上に情報の量は増大します。
そのような情報過多な時代で「良質なコンテンツを提供する」といったコンテンツマーケティングは、ますます大きな意味を持つことは間違いありません。
ぜひ、コンテンツマーケティングの導入を検討してみてください。